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東京地方裁判所 平成5年(ワ)7726号 判決 1995年12月07日

原告

坂東研路

ほか二名

被告

佐藤繁

ほか一名

主文

一  被告らは、各自、原告坂東研路に対し金九七五七万〇六六七円、同坂東耀路及び同坂東薫に対し各金一五五万円、並びにこれらに対する平成二年八月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、これを一〇分し、その六を原告らの負担とし、その余は被告らの負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、各自、原告坂東研路に対し金二億五一七九万五二七三円、同坂東耀路及び同坂東薫に対し各金五五〇万円、並びにこれらに対する平成二年八月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  訴訟費用の被告らの負担及び仮執行宣言

第二事案の概要

一  本件は、自動二輪車を運転中、普通乗用自動車と衝突して負傷した男性(当時一七歳)及びその両親が、右自動車の運転者及びその使用者に対し、損害賠償を請求した事案である。

二  争いのない事実等

1  本件交通事故(以下「本件事故」という。)の発生

原告坂東研路(昭和四七年三月一日生。以下「原告研路」という。)は、次の交通事故により急性硬膜下血腫、脳挫傷等の傷害を受けた。

事故の日時 平成二年八月二日午後五時一〇分ころ

事故の場所 埼玉県川口市安行出羽一丁目一番五号先の国道二九八号外回り車線(以下「本件道路」という。甲五の3。)路上(別紙現場見取図参照。以下、同図面を「別紙図面」という。)

加害者 被告佐藤繁(以下「被告佐藤」という。)

加害車両 普通乗用自動車(室蘭五七す九四七一)

被害者 原告研路

被害車両 自動二輪車(大宮を八三九三)

事故の態様 原告研路が被害車両を運転し、一方通行の本件道路を直進中、被告佐藤が路外の工事現場から被害車両の前方に右折進行してきたため、被害車両と衝突した。事故の詳細については、当事者間に争いがある。

2  後遺障害

原告研路は、平成三年一一月一三日、脳血管障害後遺症、右上下肢完全麻痺、失語症の障害を残して症状が固定した。原告研路は、右後遺障害について、自賠法施行令二条別表後遺障害別等級表一級三号に該当するとの認定を受けた。

3  責任原因

(一) 被告佐藤

被告佐藤は、路外の工事現場から本件道路に進入するに際しては、直進車両の有無及びその動静に注意し、進路の安全を確認して進行すべき注意義務があるのに、これを怠り、漫然本件道路に進入し、原告研路の進路を妨害した結果、本件事故を引き起こしたものであるから、民法七〇九条に基づき、また、加害車両を所有し、これを自己のために運行の用に供していたものであるから、自賠法三条に基づき、原告らに生じた損害を賠償すべき責任がある。

(二) 被告函館どつく株式会社(以下「被告会社」という。)

被告会社は、被告佐藤の使用者であり、被告佐藤は、被告会社の事業の執行につき、本件事故を引き起こしたものであるから、民法七一五条一項に基づき、原告らに生じた損害を賠償すべき責任がある。

なお、被告会社が自賠法三条の運行供用者責任を負うかどうかについては当事者間に争いがあるが、被告会社が民法七一五条一項の責任を負うことが当事者間に争いがないから、この点についての判断を要しない。

4  損害の填補(一部)

原告研路は、自賠責保険から二六二〇万円、任意保険から一二〇八万七三四二円、被告佐藤から一三万円の填補を受けた(右合計三八四一万七三四二円)。

5  原告坂東耀路(以下「原告耀路」という。)及び原告坂東薫(以下「原告薫」という。)は、原告研路の両親である。

三  本件の争点

本件の争点は、原告らの損害額及び原告らと被告らの過失割合(過失相殺)である。

1  損害額

(一) 原告ら

(1) 治療費 二五九万九九三〇円

原告研路は、本件事故による受傷の結果、入院治療を余儀なくされ、症状が固定したのは平成三年一一月一三日であるが、その後もリハビリテーシヨン等のため、平成八年四月三〇日まで入院を続け、今後も終生、投薬、理学療法、言語療法等の通院治療を必要とするものであり、これら症状固定後の治療費も本件事故と相当因果関係のある損害である。これらの治療費は、次のとおり合計三〇九一万九七九六円となるが、このうち、二八三一万九八六六円については労災保険による給付を受けたので、原告研路が負担した治療費は、右金額となる。

<1> 川口誠和病院入院分 一七〇四万五七九〇円

平成二年八月二日から平成三年八月二一日まで

<2> 川口市民病院入院分 一五七万二九九〇円

平成三年八月二一日から同年一二月二一日まで

<3> はとがや病院入院分 一二三百万一〇一六円

平成三年一二月二一日から平成七年四月三〇日まで(なお、平成七年五月一日以降のはとがや病院入院分及び平成八年五月一日以降の同病院通院分合計一八六〇万八七二九円については、今後も労災保険から填補される予定であるので、本件においては、請求しない。)

(2) 付添費 一億三〇五九万三四一〇円

<1> 事故日から平成八年四月三〇日までの分

ア 職業付添人 九二二万五二二五円

原告研路は、平成二年九月六日から職業付添人の介護を受け、平成五年九月三〇日までに右金額の付添費を負担した。

イ 原告薫 三四二万八〇〇〇円

家族が原告研路に話しかけ、車椅子による散歩に同伴するため、川口市民病院に入院した平成三年八月二一日から原告薫が半日介護に当たつた。一日二〇〇〇円の一七一四日分。

<2> 平成八年五月一日以降の分

ア 原告耀路及び同薫

あ 平成八年五月一日から平成一三年まで 七九〇万一一五五円

原告薫が退職し、一人で介護に当たる。一日五〇〇〇円の五年分。ライプニツツ方式により算定。

い 平成二〇年まで 一四七八万三九六六円

原告耀路が定年退職するため、同薫と二人で介護に当たる。一日七〇〇〇円の七年分。ライプニツツ方式により算定。

イ 職業付添人 九〇二六万七五九八円

原告研路の退院時の平均余命は五三年であるところ、当初の一二年間は、右のとおり原告耀路と同薫が介護に当たるが、それ以降の四一年間については、職業付添人の介護を受けなければならない。日当を一日一万四三〇〇円として、ライプニツツ方式により算定。

ウ 平成一三年までの通院付添費 四九八万七四六八円

原告研路退院後の平成八年五月一日から原告耀路が定年退職して送迎ができるようになるまでの五年間は、第三者に通院の際の送迎を依頼しなければならない。日当を一日四〇〇〇円として、ライプニツツ方式により算定。

(3) 入院雑費 六七九万二二四九円

<1> 紙おむつ、尿取りパツク代、<2>コインランドリー代、<3>付添人寝具代、電気代、<4>車椅子借用費、<5>テレビカード代、<6>医師等心付代、<7>文書料、<8>室料、布おむつ代等を含む。

(4) 通院交通費 一〇四万三三八〇円

平成二年八月二日から平成八年四月三〇日までの近親者通院交通費

(5) 自宅療養雑費 八七七万五一一八円

一日当たり一三〇〇円、原告研路の平成八年四月三〇日の退院時の平均余命を五三年として、ライプニツツ方弐により算定。

(6) 休業損害 一九七万九六四八円

原告研路の本件事故当時のアルバイトの日給は、三二五六円であり、高校卒業予定の平成四年三月三一日までの六〇八日分。

(7) 家屋改造費 九八一万二〇〇〇円

(8) 介護機器購入費 二七五万〇〇〇〇円

<1> 水洗トイレ付ベツド 三三万〇〇〇〇円

<2> 送迎用自動車(三五〇万円の二分の一) 一七五万〇〇〇〇円

<3> 電動式車椅子 五三万〇〇〇〇円

<4> フラツトスロープ 一四万〇〇〇〇円

(9) 逸失利益 九〇八六万六八四八円

本件事故に遭わなければ、原告研路は、二〇歳から六七歳までの四七年間、少なくとも平成三年度男子労働者全年齢平均の年収額五三三万六一〇〇円を得ることができたものであり、ライプニツツ方式により算定。

(10) 慰謝料 三五〇〇万〇〇〇〇円

<1> 原告研路分 二五〇〇万〇〇〇〇円

ア 入院慰謝料 三〇〇万〇〇〇〇円

イ 後遺障害慰謝料 二二〇〇万〇〇〇〇円

<2> 原告耀路及び同薫分 各五〇〇万〇〇〇〇円

(11) 弁護士費用 一一〇〇万〇〇〇〇円

<1> 原告研路分 一〇〇〇万〇〇〇〇円

<2> 原告耀路及び同薫分 各五〇万〇〇〇〇円

(二) 被告ら

(1) 原告らの主張する損害は、賠償上の必要性に欠けるか、金額的な相当性を逸脱しており、いずれも争う。

(2) 原告研路の後遺症の程度及び介護の内容程度について

原告研路の症状改善は著しく、現在では、車椅子への移乗や車椅子での移動が可能であり、補装具を用いた単独歩行距離も伸びているうえ、限られた範囲でのコミユニケーシヨン回復も認められる状態であることからすれば、もはや常時介護を必要とする状態は脱しており、原告研路の後遺症は、随時介護を要する程度の二級相当とみるべきである。

2  本件事故の態様

(一) 被告ら

被告佐藤は、路外の工事現場から本件道路に進入するに際し、本件道路手前まで進行していつたん停止したうえ、左方の横断歩行者用信号が赤色を表示し、直進方向の車両が一台右赤信号に従い、停止していること及び他に右折待ちの停止車両があることを確認したが、被害車両については確認できなかつたため、直進車両はないものと判断して発進した。

原告研路は、進路前方に対する注視を全く欠いたまま、少なくとも時速七〇キロメートルを超える速度で進行して衝突地点に至つたものであり、衝突前にクラクシヨンを鳴らさなかつたほか、ブレーキ操作等何らの停止措置も施していないのであるから、本件において、原告らの損害額を算定するに当たつては、原告研路の右過失を斟酌すべきである。

(二) 原告ら

被告佐藤が一時停止した位置からでは、左方の見通しが悪く、安全確認には不十分なのであるから、被告佐藤としては、左方の安全が確認可能となる地点まで進行したうえ、右義務を尽くすべきところ、被告佐藤がこれを怠つたことは明らかである。

原告研路としては、通常、路外車が安全確認不十分なまま、本件道路内に進入してくることまでは予測できず、本件において、加害車両が左方の安全確認可能な地点まで進入して停止していれば、原告研路が加害車両を発見することは可能であつた。

被害車両の速度が時速七〇キロメートルを超えていたとする点は、争う。

第三争点に対する判断

一  損害額について

1  原告研路の症状等

(一) 甲六の1ないし8、七、二三ないし二六、二七の1、2、五〇、乙一の1ないし176、二の1ないし20、三の1ないし71、四、原告耀路、同薫、調査嘱託の結果に前記争いのない事実等を総合すれば、次の事実が認められる。

(1) 原告研路は、本件事故により、急性硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、慢性硬膜下水腫、左下腿打撲、腹部腰部打撲等の傷害を負い、左大脳半球全体に高度の障害が発生した。事故日から川口誠和病院で入院治療を受け、平成三年七月ころには、自力によるベツド上での体動はできないが、車椅子による移動は可能となり、四肢拘縮に対しリハビリテーシヨン(以下「リハビリ」という。)を行つてきた。しかし、失語、構音障害の改善がないため、リハビリ、言語治療を目的として同年八月二一日川口市民病院に転院したところ、なお、右片麻痺が強く、運動はほとんどできない状態であつた。このため、右半身麻痺、左膝関節拘縮、失語症の後遺障害を残して平成三年一一月一三日症状が固定した。

(2) 原告研路は、同年一二月二一日はとがや病院に転院し、リハビリを中心に入院加療を続けた結果、ベツドから起きて、杖をついてゆつくりと歩行したり、車椅子に乗れるようになつたりしたほか、日常生活の中の限られた事項について身振りや手指等を使い、動作で意思を伝えることができるようになつた。音楽を聞くことが好きで、テレビを見ること、尿意を知らせること、左手でスプーンやフオークを用いて食事をとること等ができるまでに改善したが、現在でも「あー」「うー」と声を発することができるだけで家族とも会話はできないうえ、大小便も知らせたときには、もらしてしまつていることが多い。また、病院内の売店で買い物ができる場合もあるが、金を払わなかつたことも数度あつた。

(3) 原告研路の知能及び判断能力は、小学校低学年の水準であり、平成四年一一月一一日、浦和家庭裁判所は、原告研路について、他人の平易な言葉をある程度理解すること、自己や家族の氏名を漢字で書くこと、一桁の加減計算をすることは可能であるが、言葉によつて自己の意思を表明すること、家族以外の人名を漢字で書くこと、乗除算などの少し複雑な計算をすること等は不可能であり、社会人としての判断能力を著しく欠いた状態にあると認め、このような原告研路の状態は心神喪失の常況にあるとして、禁治産宣告をした(同月二七日審判確定)。

(4) 原告研路には、今後も用便、精神能力、言語能力に回復の見込みはなく、平成五年ころ、はとがや病院から自宅療養に切り換えてはどうかと退院を示唆されたことがある。その症状からすれば、すぐにでも退院ができないではないが、原告耀路及び同薫の希望により引き続きはとがや病院に入院し、午前と午後に二〇分程度ずつ、右足と手の硬直を和らげ、立ち上がりと移動の練習をするリハビリを続けながら、退院後の環境作りをしている状況にある。

(二) 右認定の事実をもとにすると、原告研路は、今後とも将来にわたり生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、常時他人の介護を必要とする状態にあり、原告研路の右後遺障害の程度は、自賠法施行令二条別表後遺障害別等級表の一級三号に該当するものと認められる。

被告らは、原告研路が食事の準備や後片付け、衣服の脱着の介助、用便の世話、通院等の移動時の介助があれば、概ね日常生活を送れる状態にあり、自賠法施行令二条別表後遺障害別等級表二級三号に該当する旨主張し、医療法人あかつき会鳩ケ谷病院に対する調査嘱託の結果中には、右主張に沿う記載がある。しかし、右調査嘱託の結果はいずれも病院内の諸行動に限定されており、直ちに原告研路の日常生活全般を推認させるものではないうえに、同表二級三号は、脳損傷に基づく運動障害、失認、失行、失語のため、自宅内の日常行動は一応できるが、自宅外の行動が困難である場合を典型とするところ、原告研路の場合、自宅内での日常行動も不可能な場合が多く、とりわけ食事の準備、衣服の脱着、用便などの生命維持に直結する必要不可欠な行動が不可能なことは明らかであつて、被告らの主張は採用することができない。

(三) 以下においては、原告研路の右後遺障害の程度を前提に損害を認定することとする。

2  治療費 二五六万二二七九円

原告研路は、川口誠和病院において、平成二年八月二日から平成三年八月二一日まで、川口市民病院において、同日からその症状が固定した同年一一月一三日を越えてさらに同年一二月二一日まで、はとがや病院において、同年一二月二一日から平成七年四月三〇日まで、それぞれ入院し、これらの入院費用として、川口誠和病院分として一七〇四万五七九〇円(甲八の1ないし9)、川口市民病院分として一五三万五三三九円(甲八の10)、はとがや病院分として、少なくとも原告らが主張する一二三〇万一〇一六円(甲八の11ないし26、四二の1ないし23、四八の1、2)を負担したことが認められる。

そして、原告研路の右1記載の受傷の部位程度、後遺障害の程度等からすれば、同人は、その症状固定後も、症状の悪化を防ぎ、症状固定の状態を維持するため、平成七年四月三〇日までのリハビリを必要とし、そのための入院を継続しなければならなかつたと認められ、その間の右入院治療費は、本件交通事故と相当因果関係のある損害と認められる。

ところで、原告研路が、右各治療費(合計三〇八八万二一四五円)のうち、二八三一万九八六六円について労災保険による給付を受けたことは原告らが自認し、この点について被告らが特段の主張をしていないことから、原告らが請求し得る治療費は二五六万二二七九円となる。

3  付添費 五二二七万二二五七円

(一) 事故日から症状固定日(平成三年一一月一三日)までの分

(1) 職業付添人 四二五万九五三五円

原告研路は、川口誠和病院入院中の平成二年九月一五日から職業付添人の介護を受け、川口市民病院入院中の平成三年一一月一三日までに右金額の付添費を支出したことが認められ(甲九の1ないし49)、右費用は、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。

(2) 原告薫 認められない。

原告らは原告研路が川口市民病院に入院した平成三年八月二一日から症状固定日までの八五日間原告薫が原告研路に付き添つていたと主張し(甲一一)原告薫によればその事実が認められるが、同期間中原告研路が重篤な状態であつたことを認めるに足りる証拠がなく、職業付添人以外に親族介護の必要性が認められない。

(二) 症状固定日以降の分

原告研路は、1記載のとおり、将来も常時介護を必要とする状態であり(甲九の50ないし103、甲三四の1ないし20)原告薫、同耀路各本人によれば、症状固定後も平成五年九月三〇日まで職業付添人の介護を受け五〇〇万一二一五円を支払つたこと、それ以降は、原告薫等の親族による介護を行つていることが認められる。同原告は症状固定時一九歳であつて、その平均余命は、五七年であり、また、原告薫(昭和一二年一月六日生)は原告研路の症状固定時五四歳、同耀路(昭和一六年七月二九日生)は五〇歳であることから、原告耀路が平均労働可能年齢である六七歳に達する平成二〇年までは、親族による介護が可能であるが、その後の四〇年間は、職業付添人の介護を要するものというべきである。

そして、近親者の付添費は、原告研路の入院期間中は原告らの主張どおり一日二〇〇〇円、自宅介護期間は一日五〇〇〇円(原告耀路と同薫が二人で介護に当たるとしても、被告に負担させるべき付添費の前提となる付添人の数は、一人とみるべきである。)、職業付添人の費用は一日一万円とするのが相当である。そして、原告らは原告研路の入院期間を平成八年四月三〇日までと主張し、本件最終口頭弁論期日においては未だ入院中であることが窺われるが、平成六年九月一日付け調査嘱託の結果によれば、原告研路はその半年後の平成七年三月ころまで入院が必要とされていることに鑑み、入院必要期間を本件口頭弁論終結後三か月を経過した平成七年一一月三〇日までとして付添費を算定することとする。将来分につきライプニツツ方式により中間利息を控除して現価を算定すると、次の各金額となり、これを合計すると前示金額となる。

(1) 入院期間中の職業付添人費 前認定どおり五〇〇万一二一五円

なお、原告らは同期間中の親族介護も請求するが、職業付添人が存在すること、症状固定後であつて原告研路の状態が重篤であるとは認め難いことから、親族介護の必要性が認められない。

(2) 平成五年一〇月一日以降平成七年一一月三〇日までの親族介護 一五八万二〇〇〇円

2,000円×791日=1,582,000円

(3) 平成七年一二月一日以降平成二〇年までの親族介護 一四一〇万三七八二円

5,000円×365日×(11.2740-3.5459)=14,103,782円

(4) 平成二〇年以降の職業付添人 二七三二万五七二五円

10,000円×365日×(18.7605-11.2740)=27,325,725円

(5) 第三者の通院付添費 認められない。

前記1記載の原告研路の症状に照らし、原告薫が介護に当たるほか、さらに第三者に通院のための送迎依頼を必要とすべきことを認めるに足りる証拠はない(なお、原告研路は言語能力等に回復の見込みはなく、リハビリも関節の拘縮等を目的としたものであるから、終生の通院治療を必要とすべきものともいいがたい。)。

4  入院雑費 五八四万一〇〇〇円

前示のとおり原告研路の入院期間は、平成二年八月二日から平成七年一一月三〇日までの一九四七日間である。

原告の主張する費用のうち、<4>車椅子借用費、<7>文書料については、これを認めるに足りる的確な証拠がない。<6>医師等心付代については、原告研路の入院期間の長さに鑑み、社会通念上、相当分についてはこれを支出することが止むを得ないものと考えられ、当該分を本件事故と相当因果関係のある損害として、被告らに負担させることが適当であるといえる。また、証拠(甲三五の1ないし17、四四の1ないし8、四五の1ないし11)によると、川口誠和病院入院中は、職業付添人の食費として一か月に数万円程度を支出していたこと、はとがや病院入院中は付添い雑費等として毎月二万七〇〇〇円ないし三万円程度支出し、付添制度が廃止された平成五年一〇月以降は室料、おむつ代等として毎月一〇万円程度の支出をしていることが認められ、これらの事情を考慮すると、本件事故と因果関係のある入院雑費は、一日当たり三〇〇〇円と認めるのが相当であるから、右金額となる。

5  近親者通院交通費 二八万四七六〇円

証拠(甲三六の1ないし26、原告薫本人尋問の結果、弁論の全趣旨)によると、付添いのために必要な公共交通機関を利用した交通費は、一日当たり三六〇円であるところ、前認定のとおり親族介護が必要な期間は、平成五年一〇月一日から平成七年一一月三〇日までの七九一日間であるから、近親者通院交通費の総額は前示金額となる。

6  自宅療養雑費 二七七万六六六四円

自宅療養期間中の雑費の支出は、基本的には逸失利益の中から支出されるべきものであるが、原告研路の状況によればおむつ等日常生活では通常不要と考えられる物品の購入を必要とすることは明らかである。そこで自宅における療養雑費としては一日当たり五〇〇円を要するものと認めるのが相当であり、ライプニツツ方式により中間利息を控除すると前示金額となる。

500×365日×(18.7605-3.5459)=2,776,664円

7  休業損害 一二六万九五〇四円

甲一三によれば、原告研路は、本件事故前三か月間(就業日数五九日)に合計一九万二一五〇円のアルバイト収入を得ていたところ、本件事故により休業を余儀なくされたものであり、事故日から高校卒業予定の平成四年三月三一日までの六〇八日間についても右と同様の割合でアルバイト収入を得ることができたものと推認されるから、その間の休業損害は、次の計算どおり前示金額となる。

192,150円÷92日×608日=1,269,504円

8  家屋改造費 六五六万九九五二円

原告研路は、1記載のとおり全介助の状態であり、自宅内での療養介護のため、相当程度の家屋改造が必要であることが認められる。そして、甲一四の1ないし3によれば、家屋の改造に一三三二万二一五八円、いす式階段昇降機に一四九万三五〇〇円、床暖房に一八九万七二〇〇円を要するものと見積もられたことが認められるが、いす式階段昇降機を除いては家屋の改良にもなることから、これらのうち被告に負担させるべき金額としてはその三分の一とするのが相当であり、本件事故と相当因果関係のある家屋改造費は、次の計算どおり前示金額となる。

1,493,500円+(13,332,158円+1,897,200円)÷3=6,569,952円

9  介護機器購入費 一六六万五七〇〇円

(一) 水洗トイレ付ベツド 三三万〇〇〇〇円

原告研路は、1記載のとおり全介助の状態であり、排便等の後始末に手間取る状態であるから、水洗トイレ付ベツドが必要であると認められるところ、甲一七によれば、購入に必要な費用は三三万円と認められる。

(二) 送迎用自動車 一〇〇万〇〇〇〇円

原告研路は、1記載のとおり全介助の状態であり、送迎用自動車が必要であると認められるところ、同原告の症状及び自動車を購入することにより家族の便にも資すること(甲一八)に鑑みると、それに要する費用(原告ら主張によれば三五〇万円)のうち、被告に負担させるべき金額としては、一〇〇万円が相当である。

(三) 車椅子 三三万五七〇〇円

原告研路は、1記載のとおり、補装具をつけなければ歩行不能の状態であるから、長距離の移動等のため車椅子が必要であると認められるところ、甲一九によれば、電動式車椅子は三三万五七〇〇円から購入が可能であることから、被告に負担させるべき金額としては、同金額とするのが相当である。

(四) フラツトスロープ 認められない。

原告研路の症状に照らし、家屋改造費のほかにフラツトスロープが必要であることを認めるに足りる証拠はない。

10  逸失利益 八六〇二万六四六九円

原告研路は、本件事故当時高等学校第二学年に在学し、本件事故に遭わなければ、平成四年三月末に卒業し、症状固定(一九歳)の後である二〇歳から六七歳に達するまでの間、少なくとも平成三年賃金センサス第一巻第一表、産業計、企業規模計、学歴計、男子労働者、全年齢平均の年収額五三三万六一〇〇円を得ることができたと推認されるので、その額を基礎とし、労働能力喪失率を一〇〇パーセントとして、ライプニツツ方式により中間利息を控除して四七年間の逸失利益の本件事故時の現価を算定すると、次の計算どおり前示金額となる。

なお、被告らは、原告研路には、労働能力再生産に要する費用負担は必要ないから、生活費を相当割合で控除すべきであると主張するが、生活費の控除は単に労働能力再生産費用相当分のみではないうえに、前記のとおり、自宅療養雑費の多くの分については逸失利益中から支出されるべきものであり、被告ら主張にかかる費用負担とは異なる費用の支出が見込まれるから、生活費を控除するのは相当ではない。

5,336,100円×100%×(17.9810-1.8594)=86,026,469円

11  慰謝料 二九〇〇万〇〇〇〇円

(一) 原告研路分 二五〇〇万〇〇〇〇円

(1) 入院慰謝料 三〇〇万〇〇〇〇円

原告研路の症状固定日までの入院日数は、四七〇日であるところ、右期間の入院慰謝料として、三〇〇万円を認めるのが相当である。

(2) 後遺障害慰謝料 二二〇〇万〇〇〇万円

原告研路の後遺障害の程度からして、同人の右後遺障害に対する慰謝料としては、二二〇〇万円を認めるのが相当である。

(二) 原告耀路及び同薫分 各二〇〇万〇〇〇〇円

原告研路の前記のように常時介護を要する後遺障害の程度からして、原告耀路及び同薫は、同研路の両親として、その死亡に比肩すべき程度の精神的苦痛を受けたものと認められ、これに対する慰謝料として、各二〇〇万円を認めるのが相当である。

12  小計

2ないし11の損害額の合計は、原告研路につき一億八四二六万八五八五円となり、原告耀路及び同薫につき各二〇〇万円となる。

二  本件事故の態様について

1  甲五の3、4、7、9、15、17ないし21、23ないし26、二八の1ないし11、三〇、三一、四六の2、乙五、六、七の1、証人関川義紀、同赤石昭義、同和田学、原告耀路、被告佐藤に前記争いのない事実を総合すれば、次の事実が認められる。

(一) 本件事故現場付近の状況は、別紙図面のとおりである。

本件道路(国道二九八号外回り車線)は、浦和市方面から草加市方面に向かう車道幅員五・七メートルの直線一方通行路であり(これと並行して幅六・七メートル、高さ約一八センチメートルの歩道が設置されている。)、本件事故現場付近で路外の本件工事現場と接しており、同所は、工事用車両の出入口となつている(以下「本件通路」という。)。本件道路は、最高速度が時速四〇キロメートルに制限されており、路面はアスフアルトで舖装され、平坦であり、本件事故当時乾燥していた。

本件道路の浦和市方面には、信号機により交通整理の行われている交差点(以下「本件交差点」という。)があり、同交差点には、車両用信号機のほか、歩行者用信号機が設置されており、別紙図面<1>地点から同交差点方向へ視認可能な歩行者用信号機は一つであり、同信号機までの距離は、一〇二メートルであつた。

本件通路の幅は、六・〇メートルであり、本件通路から本件道路左方への見通しは、工事中の橋脚や金網等のため、不良であつた。

原告研路の進行方向から本件事故現場方向の見通しはよく、本件通路の存在も確認でき、別紙図面<1>地点に停止している車両の確認は可能であつた。

本件事故現場付近の路面には、スリツプ痕やタイヤ痕の印象は認められなかつた。

(二) 被告佐藤は、本件事故当時、被告会社の従業員として、平成二年六月一一日から本件工事現場において作業員の監督補助等に従事していたが、通勤には、加害車両を使用しており、本件道路の状況はよく知つていた。

被告佐藤は、本件事故当日、加害車両を運転し、本件工事現場から宿舎に戻るため、本件道路を右折しようとして、本件通路内の別紙図面のほぼ<1>地点で停止し、左右を確認した。その際、別紙図面<1>地点から左方約一〇二メートルの距離にある本件交差点の歩行者用信号機が赤色を表示しており、右折のウインカーを出して同交差点手前で停止している車両を認めたが、同交差点内を進行してくる車両は見えなかつたことから、本件通路方向に進行してくる車両はないものと判断し、時速約五、六キロメートルで進路前方の歩道と、右方向にある縁石とに注意しながら、本件道路を鋭角に右折していき、左方を途中で確認しなかつた。本件工事現場で作業に従事し、帰る準備をしていた訴外赤石昭義は、本件事故直前、自動二輪車のエンジンの空吹かし音を聞いており、加害車両が発進するのを見て危ないなと感じていた。被告佐藤は、右折開始から五、六秒後に、同図面の<2>地点に来たとき、同図面の<×>においてドンと大きな音とシヨツクを感じ、直ちに急ブレーキを掛けると、加害車両が同図面の<3>地点で停止した。原告研路は、加害車両のリアウインドを割つて、加害車両の車内に突つ込む形で原告研路がトランクの上の同図面の<ア>に倒れており、被害車両は、同図面の<イ>に転倒していた。

被告佐藤が被害車両のエンジン音を聞いたのは、被害車両と衝突する瞬間であり、それまで被害車両には全く気づかなかつた。

(三) 原告研路は、本件事故当時、埼玉県内の公立高校の二学年に在籍するかたわら、自宅から約三キロメートル離れた日通神田中央運輸川口事業所の埼玉センターにおいて、荷物の積卸しや検品作業等のアルバイトをしており、本件事故当日は、アルバイト先に向かうため、午後五時ころ、被害車両を運転して自宅を出た。原告研路は、本件事故現場方向には、浦和市方面から進行し、本件交差点の赤色信号で同交差点手前で停止した。信号が青色に変わるのと同時に発進して、本件事故現場に時速約七〇キロメートルで進行し、加害車両と衝突する本件事故に遭つたが、本件事故当時、制動措置や衝突回避のための措置はとらなかつた。

(四) 本件事故により、加害車両は、フエンダー左後側面とリアウインドが破損し、左後輪が曲損しており、被害車両は、前照灯と前輪が破損し、前フオークが曲損していた。被害車両の速度計のパネルも破損したが、その針は時速七〇キロメートルを示す位置で停止していた。

2  被告佐藤は、本人尋問において、「取調官は、捜査段階において、本件道路左方の確認を怠つたことはないという被告佐藤の言い分を十分聞き入れなかつたほか、被害車両や工事現場の作業員らを調べてほしいという申し入れにも耳を貸さず、その他、適正な捜査を行わなかつたから、これら捜査機関の杜撰な捜査と誤つた認識に基づく被告佐藤の捜査段階の供述(甲五の7、15)は信用性がない。」と述べ、被告佐藤の本件道路左方の安全を確認した際の加害車両の位置及び角度について、捜査段階での供述は事実と相違する旨の供述をする。

しかし、別紙図面の車両等の大きさ、角度等については便宜上図式化されたものであり(甲五の3)、それ自体正確なものではない。そして、被告佐藤の本人尋問の結果によると、加害車両が停止したのは、別紙図面<1>地点より更に前に出ており、角度は本件道路に対してほぼ直角になるような位置であつたというのであつて、実質的には捜査段階の供述と相違するところはないと考えられる。

もつとも、一旦停止後の進行速度については捜査段階では時速一〇キロメートルと供述し、被告佐藤本人尋問においては時速五、六キロメートルであつた旨供述するところ、証拠(乙五、証人関川、被告佐藤本人)によると被告佐藤の主張する停止位置から、時速五、六キロメートルで右折した場合、衝突地点に達するまで五、六秒を要し、時速一〇キロメートルの場合には約三、四秒を要することが認められ、時速五、六キロメートルで進行したことは、加害車両が右折を開始してから五、六秒で衝突した旨の被告佐藤本人尋問の結果とも符合し、また、後述の原告研路の進行スピードとも矛盾がないのであつて、加害車の進行速度は時速約五、六キロメートルと認める。

3  原告研路の運転していた被害車両の速度については、前認定のとおり、被害車両の速度計の針は時速七〇キロメートルを示しており、甲五の19によれば、同速度計の針はワイヤーのスプリングの力により「〇」の方向に引つ張られていて車輪の回転が停止すれば針が「〇」に戻るようになつており、速度計の損傷により、針が途中の位置で停止したままであるときは、損傷時には停止位置か、それ以上の速度であることが認められ、被害車両の速度計の表示によれば、被害車両の衝突の速度は少なくとも時速七〇キロメートルということになる。次に本件道路手前の浦和方面の交差点の停止線から本件事故現場の衝突地点までの距離がおよそ一〇二メートルであり(右距離は、別紙図面<1>地点から同交差点の歩行者用信号機までの距離であるが、本件道路状況に鑑みると、同交差点停止線の位置から本件事故の衝突地点までの距離も右程度の距離はあつたものと考えられる。)、加害車両が衝突するまでの時間が約五、六秒であつたとすると、被害車両の速度は計算上、平均六一・二ないし七三・四キロメートル毎時となる。そして、本件事故の状況として、被害車両は時速約五、六キロメートルで右折中の加害車両側面に後方から衝突しながら、原告研路が加害車両の後部ガラスを突き破つて、車内にめり込むほどの衝撃があつたこと等を考え併せると、被害車両の速度は、少なくとも時速七〇キロメートル程度は出ていたものと推認できる。

4  被告らは原告研路は赤信号無視で本件事故現場に進行してきた旨主張するが、右事実を認めるに足る証拠はない。かえつて、前記認定の証人赤石が聞いた自動二輪車のエンジン音は、原告研路の運転する被害車両のエンジン音で、被害車両は交差点で停止していたものと推定され、被告佐藤が左方を確認し終わつた時点で本件交差点の信号が赤色表示から青色表示に変わり、それと同時に原告研路は急発進したものと推認するのが相当である。また、被告らは本件交差点を右折ないし左折して本件事故現場に進行してきた旨の主張をするが、原告研路の自宅からアルバイト先への順路を考慮すると、本件交差点には浦和市方面から直進してきたと認めるのが相当である。

5  右の各事実をもとにすると、路外の工事用車両の出入口である本件通路から右折進入した加害車両と、一方通行の本件道路を直進してきた被害車両とが出合い頭に衝突した本件事故において、被告佐藤としては、路外から右折進入するに当たり、直進車の進行を妨げてはならない基本的義務があることに加えて、フエンス等のため、左方の見通しが悪いのであるから、あらかじめ左方が確認できる位置まで進出したうえ、その安全を確認してからでなければ、本件道路に進入すべきでないというべきところ、左方の交差点の歩行者用信号機を見た際、被害車両に気づかなかつたことから、安易に直進車両はないものと軽信し、漫然、本件道路に右折進入し、その後も左方へ注意を払わなかつたことにより、本件事故を引き起こしたものであり、本件事故発生についての主要な責任があるというべきである。

他方、原告研路としても、本件事故現場付近は見通しのよい道路であり、加害車両の進行速度もゆつくりであつて、加害車両が本件道路に進出してくることを容易に確認できたと考えられるにもかかわらず、本件事故現場に至るまで制動措置を施した形跡がないことからすると、本件事故当時、前方注視を欠いた状態で被害車両を運転していたことが窺えるうえ、制限速度を三〇キロメートル以上上回る速度で本件道路を進行したことにより、制動操作のみならず、その他の衝突回避動作を取ることもできないまま、本件事故を生じさせた結果、重大な傷害を負つたものというべきであるから、これらの点に過失が認められる。

6  そして、原告研路、被告佐藤双方の右過失を対比すると、原告研路の損害額の三〇パーセントを減額するのが相当である(なお、両親である原告耀路及び同薫についても被害者側の過失として斟酌する。)。

7  そうすると、被告佐藤が賠償すべき損害額は、原告研路につき一億二八九八万八〇〇九円、原告耀路及び同薫につき各一四〇万円となる。

四  損害の填補

原告研路が、合計三八四一万七三四二円(自賠責保険から二六二〇万円、任意保険から一二〇八万七三四二円、被告佐藤から一三万円)の填補を受けたことは、当事者間に争いがないから、その損害額は、原告研路につき九〇五七万〇六六七円となる。

五  弁護士費用

本件事案の内容、審理経緯及び認容額、その他諸般の事情に鑑みると、原告らの本件訴訟追行に要した弁護士費用は、原告研路に七〇〇万円を、原告耀路及び同薫に各一五万円を認めるのが相当である。

第四結語

以上によれば、原告らの本件請求は、被告ら各自に対し、原告研路につき、九七五七万〇六六七円、同耀路及び同薫につき、各一五五万円、並びにこれらに対する本件事故の日である平成二年八月二日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるが、その余はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条本文、九三条一項本文を、仮執行宣言につき同法一九六条一項を、それぞれ適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 南敏文 竹内純一 河田泰常)

交通事故現場見取図

<省略>

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